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就労継続支援B型の期中改定の注意点|報酬区分見直しと新規指定への影響をわかりやすく解説

  • 投稿:2026年03月20日
就労継続支援B型の期中改定の注意点|報酬区分見直しと新規指定への影響をわかりやすく解説

令和8年度の就労継続支援B型の期中改定では、基本報酬区分の見直しや新規指定事業所への応急的な報酬単価の特例、就労移行支援体制加算の見直しなど、事業所運営に影響する内容が示されています。この記事では、大阪市の検討案にも触れながら、就労継続支援B型事業所が今のうちに確認しておきたい注意点をわかりやすく整理しています。

大阪市の動きもふまえて、今のうちに確認しておきたいポイント

令和8年度の障害福祉サービスの期中改定では、就労継続支援B型の事業所に関わる見直しが予定されています。

今回の見直しは、ただ報酬の金額が変わるという話だけではありません。
事業所の運営のしかたや、今後の事業計画にも関わる内容が含まれています。

とくに、

・これからB型事業所を開設したい法人様
・すでにB型事業所を運営している法人様
・今後の収支や加算の見直しを考えている法人様

にとっては、早めに内容を整理しておくことが大切です。

この記事では、就労継続支援B型の期中改定で気をつけたい点を、できるだけわかりやすくまとめます。
あわせて、最近話題になっている大阪市の検討案についても触れます。

まず確認したいのは「報酬の区分」の見直しです

就労継続支援B型では、平均工賃月額などをもとに、事業所ごとの基本報酬区分が決まっています。
今回の見直しでは、この報酬区分の基準そのものが変わる予定です。

背景としては、令和6年度の報酬改定で平均工賃月額の計算方法が見直され、全国的に見ると平均工賃月額が上がったことがあります。
その結果、想定よりも高い報酬区分に入る事業所が増えたため、今回あらためて区分の基準を見直す流れになっています。

ここで大事なのは、今までと同じ運営をしていても、今後は今までと同じ区分になるとは限らないという点です。

「今まではこの区分だったから、これからも大丈夫」と思っていても、新しい基準で見たときに、区分が変わる可能性があります。
区分が変わると、当然ながら基本報酬にも影響が出るため、事業所の収入に関わってきます。

見直しのポイントは「基準額が3,000円ずつ上がる」ことです

今回の案では、基本報酬区分の基準額を、全体として3,000円ずつ引き上げる考え方が示されています。
たとえば、これまでの区分の境目が3万円だったところは3万3,000円、3万5,000円だったところは3万8,000円、4万5,000円だったところは4万8,000円というように、区分の線引きが上にずれていくイメージです。

そのため、これまでと同じ平均工賃月額でも、見直し後は一つ下の区分に入る可能性があります。
特に、区分の境目付近にある事業所は影響を受けやすいため、注意が必要です。

ただし、一律に厳しくなるわけではありません

今回の見直しでは、単純に基準を引き上げるだけではなく、急に影響が大きくなりすぎないように、いくつかの配慮も示されています。

たとえば、令和6年度改定の前後で区分が上がっていない事業所については、今回の見直しの適用対象外とする考え方が示されています。
また、見直しによって区分が下がる事業所についても、基本報酬の減少額が大きくなりすぎないように、中間的な区分が新しく設けられる案になっています。

さらに、これまでの区分七と区分八の間については、基準額をそのまま据え置く考え方も示されています。
つまり、すべての事業所が同じように大きな影響を受けるわけではなく、一定の配慮をしながら調整しようとしている内容です。

「うちはどこを見るべきか」を早めに整理しておくことが大切です

とはいえ、実務上は「配慮があるから安心」と考えるだけでは足りません。
大切なのは、自事業所がどの位置にいるのかを早めに把握することです。

とくに確認しておきたいのは、次のような点です。

・今の平均工賃月額はいくらか
・その金額が今の区分のどこに当てはまっているか
・見直し後の基準で見ると、どの区分に入りそうか
・区分が変わった場合、基本報酬はどれくらい変わるか
・それによって月の売上や年間の収支にどんな影響があるか

たとえば、平均工賃月額が今ちょうど境目に近い事業所であれば、少しの違いで区分が変わることがあります。
逆に、すでに高い工賃水準を安定して維持できている事業所であれば、今回の見直しの影響が比較的小さい場合もあります。

平均工賃月額だけでなく「運営全体」で見ることが必要です

この見直しで大切なのは、単に「区分が上がるか下がるか」だけを見ることではありません。
区分が変わる可能性がある場合は、事業所全体の運営をどう考えるかまで見ていくことが必要です。

たとえば、

・工賃の水準を今後どう維持するか
・利用者数や稼働率は安定しているか
・人件費とのバランスは取れているか
・他の加算も含めて収支をどう組み立てるか
・今後の生産活動の内容を見直す必要があるか

といった点も一緒に確認していくことが大切です。

報酬区分の見直しは、数字だけを見るとわかりにくいですが、実際には事業所の経営にそのままつながる話です。
そのため、「まだ正式決定ではないから」と後回しにするのではなく、今のうちから自事業所の状況を整理しておくと安心ですね。

新しく開設するB型事業所は「応急的な報酬単価の特例」にも注意が必要です

今回の見直しでは、就労継続支援B型の新規指定事業所に対する応急的な報酬単価の特例も示されています。

これは、新しく指定を受けるB型事業所について、基本報酬を通常どおりではなく、

所定単位数の1000分の984に相当する単位数で算定する考え方です。
わかりやすく言うと、新しく開設する事業所については、一定の期間、基本報酬が少し低い単価で計算されるということです。

この点は、これから就労継続支援B型の開設を考えている法人様にとって、とても大切なポイントです。
開設時は、利用者数がすぐに安定しないことも多く、人件費や家賃などの固定費が先にかかりやすいため、基本報酬が少し下がるだけでも収支に影響が出ることがあります。

そのため、新規開設を考える際は、
「指定が取れるかどうか」だけでなく、
この特例を前提にしても、無理なく運営を続けられるかまで見ておくことが大切です。

ただし、すべての新規事業所が一律に同じ扱いになるわけではありません

今回の案では、配慮措置として、一定の場合には従前の報酬単価を適用する考え方も示されています。

たとえば、重度障害者への支援に配慮が必要なケースとして、
医療連携体制加算(Ⅳ)を算定する利用者に係る基本報酬や、
視覚・聴覚言語障害者支援体制加算、高次脳機能障害者支援体制加算を算定する事業所に係る基本報酬については、従前の報酬単価を適用する方向が示されています。

また、地域の事情に配慮するケースとして、
離島や中山間地域など、特別地域加算の対象となる地域にある事業所や、
自治体が客観的に必要と判断して設置する事業所についても、従前の報酬単価を適用する考え方が示されています。

具体的には、
公募をしてもサービスが不足している地域に設置する事業所や、
自治体から補助などの経済的支援を受けて設置する事業所などが想定されています。

新規開設では「開設できるか」より「続けられるか」がより大切になります

この特例が示されたことで、これからのB型開設では、これまで以上に開設後の経営の見通しが重要になります。

たとえば、

・開設当初の利用者数が少ない時期でも収支が回るか
・家賃や人件費の設定に無理がないか
・工賃原資をどう確保するか
・送迎体制や職員配置を維持できるか
・地域に本当に必要とされる事業所になっているか

といった点を、これまで以上に丁寧に見ておく必要があります。

就労移行支援体制加算の見直し

今回の期中改定では、就労移行支援体制加算の見直しにも注意が必要です。

この加算は、一般就労につながった実績がある事業所を評価するためのものですが、令和8年4月からの案では、加算の考え方がより明確になる予定です。

まず、1つの事業所で加算の対象として数えられる年間の就職者数は、その事業所の定員数までとされています。
たとえば、定員10名の事業所であれば、加算の対象として数えられる就職者数にも上限がある、という考え方です。

また、利用者さんが過去3年間のうちに、今の事業所以外も含めて、すでにこの加算の対象となっている場合は、原則としてもう一度は加算の対象にできないことが明確に示されています。
ただし、ハラスメントなど、やむを得ない事情で退職した場合などは例外とされています。

就労継続支援B型でも、一般就労につながった実績を大切にしている事業所は多いと思います。
しかし今後は、単に就職した人数を増やすことだけではなく、その実績が制度の考え方に合っているかどうかが、これまで以上に大切になります。

そのため、事業所としては、

・誰が加算の対象になるのか
・過去の実績と重なっていないか
・就職後の状況をどう確認するか

といった点を、これまで以上に丁寧に確認していく必要があります。

今後は、「就職者数が何人いたか」だけではなく、その実績を正しく管理できているかも重要になってきそうです。

大阪市の検討案も注目されています

今回、就労継続支援B型の今後を考えるうえで、大阪市の動きも注目されています。

大阪市では、就労継続支援B型について、新規指定をしぼる方向の案が出ています。
背景には、必要と考えられる量よりも事業所数や供給量が多いこと、そして一部の事業所について運営のあり方が問題視されていることがあるようです。

この動きから見えてくるのは、これからのB型事業所では、
「数が多いかどうか」よりも、「きちんとした支援ができているか」がより大事になるということです。

もちろん、大阪市の内容は現時点ではまだ「案」です。
今後、内容が変わる可能性もあります。
ただ、ほかの自治体でも同じように、事業所の数やサービスの質がこれまで以上に見られる流れになる可能性はあります。

そのため、大阪の話だから関係ないと考えるのではなく、
今後の流れを考えるヒントとなりそうです。

今回の期中改定や大阪市の検討案を見ていると、これからのB型事業所には、
長く安定して続けられる運営と、
制度の考え方に合った支援が、

これまで以上に求められていくことがわかります。

まとめ

就労継続支援B型の期中改定では、

・報酬区分の見直し
・新規指定事業所への影響
・就職実績の見方
・処遇改善加算への対応
・今後の運営のあり方

など、いろいろな点に注意が必要です。

また、大阪市の検討案からは、これからのB型事業所において、
サービスの質や運営の中身がより重視されていく流れも見えてきます。

今後、国や自治体からさらに詳しい情報が出てくると思われます。
そのため、今の段階では、まず自事業所にどんな影響がありそうかを整理し、少しずつ準備を進めていくことが大切です。

あいまり行政書士法人では、就労継続支援B型事業所様の制度対応や運営の整理について、今後の情報も確認しながらサポートしてまいります。
「うちの事業所にはどんな影響がありそうか」
「新規開設の計画を見直した方がよいか」
といった点が気になる場合は、早めに確認していきましょう。

※処遇改善加算は、R8年度処遇改善加算の記事をご確認ください。

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この記事の監修者について

 千葉 直子
 あいまり行政書士法人 代表・行政書士。
障がい福祉分野に特化し、障害福祉事業所の開設支援、顧問対応、運営指導・監査対応、法改正対応などを中心にサポートしています。制度理解にとどまらず、現場実務と法令遵守を見据えた実装支援を強みとしています。

経歴

2021年8月 とおる行政書士オフィス設立
2023年3月 あいまり行政書士オフィスへ事務所名変更
2024年7月 あいまり行政書士法人として法人化

情報発信

SNS・YouTube等の発信一覧はこちら

その他、セミナー・執筆活動を行っています。

「法令と実務事例解説セミナー」

 障害福祉制度・運営実務セミナー

「就労継続支援B型開業実践講座」・「児発・放デイ開業実践講座」

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