代表・行政書士
千葉直子
障害福祉専門 あいまり行政書士法人 代表行政書士 千葉直子
放課後等デイサービス・児童発達支援、就労系を中心に、障害福祉事業の開設支援から運営支援、法改正対応、運営指導対策まで一貫してサポートしています。制度の条文解釈だけでなく、現場実務や事業継続を見据えた「実装できる制度対応」を重視し、事業者が安心して支援に専念できる体制づくりを支援しています。福祉系大学卒業
Contents
児童指導員等加配加算について、実務経験の考え方、専従要件、多機能型事業所での兼務、有休・欠勤時の取扱いなど、実務上つまずきやすいポイントをわかりやすく整理して解説します。
目次

令和6年度報酬改定では、障害児通所支援の加算や人員配置に関する考え方について、さまざまな見直しや明確化が行われました。
その中でも、児童指導員等加配加算は、現場での運用に直結する論点が多く、Q&Aの正しい理解がとても重要です。
特に、
• 加配職員はどこまで直接支援に入る必要があるのか
• 実務経験はどのように確認するのか
• 多機能型事業所での兼務は「専従」といえるのか
• 有休や欠勤があった場合に加算はどうなるのか
といった点は、日々のシフトや配置、採用判断に大きく関わります。
今回は、厚生労働省Q&A(令和6年3月〜6月発出分)のうち、児童指導員等加配加算に関する重要な解釈を、実務目線でわかりやすく整理して解説します。
まず前提として、Q&Aでは、児童指導員等加配加算により加配される職員について、現行どおり、サービス提供時間帯を通じて事業所に配置する必要があるとされています。
つまり、加配職員については、単に在籍していればよいのではなく、サービス提供時間中、事業所内で支援にあたる体制が求められているということです。
さらに今回のQ&Aで重要なのは、
「加配された職員が、サービス提供時間帯を通じて直接支援や家族支援に一切あたらない状況は想定されていない」
と明確に示された点です。
♦実務ポイント
児童指導員等加配加算は、常時見守りが必要な障害児への支援や、保護者への助言など、支援の強化を評価する加算です。
そのため、加配職員を配置していても、その実態が請求事務や記録作成などの事務作業のみになっている場合は、加算の趣旨に合わないと判断されるおそれがあります。
運営指導では、勤務表、業務日誌、支援記録などから、実際に直接支援に入っていたかを見られる可能性があります。
加配職員の業務内容は、日頃から説明できる状態にしておくことが大切です。
児童指導員等加配加算では、経験年数によって評価区分が変わるため、実務経験の確認方法は非常に重要です。
Q&Aでは、必要な実務経験の確認について、基本的には勤務先等で業務内容や勤務日数を証明することを想定しつつ、証明が困難な場合には、他の手段による確認も可能とされています。
たとえば、前の勤務先が廃業しているなど、実務経験証明書の取得が難しい場合には、
などを活用して確認することが考えられます。

※各指定権者によって取り扱いが違います
♦実務ポイント
これは採用時の実務でとても大事です。
「証明書がないから経験を一切見られない」と決めつけるのではなく、代替できる資料がないかを丁寧に確認することが必要です。
もっとも、最終的にどう取り扱うかは指定権者の判断も関わります。
資料をそろえたうえで、必要に応じて自治体へ事前相談するのが安全です。
Q&Aでは、児童指導員等加配加算における「児童福祉事業に従事した経験」について、児童福祉法に基づく各種事業だけでなく、次のような経験も含まれると整理されています。
つまり、障害児通所支援事業所や保育所等だけでなく、教育分野での一定の経験も対象になり得るということです。
♦実務ポイント
採用実務では、「学校経験は入らないのでは」と誤解されることがありますが、今回のQ&Aでかなり明確になりました。
特に、幼稚園や特別支援教育の経験がある方については、児童指導員等加配加算の経験年数として整理できる可能性があります。
※各種加算によって異なる場合があります
Q&Aでは、経験年数のカウントについて、雇用形態や1日あたりの勤務時間数は問わないとしつつ、
1年あたり180日以上の勤務があることを想定している
と示されています。
また、資格取得前や、その職種として正式配置される前の経験についても、加算上の経験に含めることができるとされています。
♦実務ポイント
ここは実務上かなり重要です。
非常勤だから経験にならない、というわけではありません。
一方で、月に数回程度の勤務を漫然と「1年」と数えるのは危険です。
勤務日数ベースで年間180日以上あるかを意識しながら、経験年数を整理することが必要です。
経験年数の判断を誤ると、加算区分そのものに影響が出るため、採用時点で資料確認を丁寧にしておきたいところです。
多機能型事業所では、同じ職員が複数事業に関わるケースがあります。
この場合、児童指導員等加配加算における「専従」と認められるかどうかは、どの事業同士を兼務しているかで結論が異なります。
【専従と認められる場合】
児童発達支援と放課後等デイサービスを一体的に行う場合
この場合、両事業を通じて障害児通所支援の職務に従事しているため、専従として扱うことができます。
【専従と認められない場合】
児童発達支援または放課後等デイサービスと、保育所等訪問支援・居宅訪問型児童発達支援を兼務する場合
訪問支援では事業所外に出るため、通所事業で求められる見守り体制を維持できず、専従とはされません。
また、
児童発達支援または放課後等デイサービスと、生活介護等の障害福祉サービスを兼務する場合
も、障害児通所支援以外の職務に従事することになるため、専従とは認められません。

♦実務ポイント
多機能型では、「同じ建物内だから大丈夫」と思い込むのは危険です。
加配加算における専従は、その時間帯に障害児通所支援の職務に専念しているかで見られます。
シフト表や勤務区分が曖昧だと、運営指導時に説明が難しくなるため、
どの時間帯に、どの事業に従事しているのか
を明確に整理しておくことが大切です。
Q&Aでは、加配人員が管理者と児童指導員を兼務している場合、児童指導員等加配加算の「常勤・専従」の区分で算定することはできないとされています。
これは、児童指導員等加配加算が、
《人員基準上必要な職員をすべて配置したうえで、さらに加えて配置する人員》
を評価する仕組みだからです。
♦実務ポイント
管理者兼児童指導員のような形で基準人員を満たしている場合、その人をそのまま「加配分」として数えることはできません。
加算はあくまで基準配置に上乗せされた人員が前提です。
ここは人員配置の考え方を誤りやすいポイントなので、特に注意が必要です。
この点も現場でよく質問を受けるところです。
まず、Q&Aでは、児童発達支援管理責任者が休暇により出勤していない場合でも、直ちに人員欠如とはならないとされています。
指定基準上、サービス提供時間帯を通じて児発管が現場にいることまでは求められていないためです。
また、児童指導員等加配加算の対象となる加配職員についても、病欠や有給休暇を取得した場合であっても、直ちに配置要件を満たさなくなるわけではないとされています。
ただし、欠勤等が1か月以上続く場合には、配置要件を満たさなくなるとされています。
♦実務ポイント
通常の有休取得や短期の欠勤まで過度に心配する必要はありません。
一方で、休職や長期療養などで1か月以上不在になる場合は、話が変わります。
その場合は、
を早めに行う必要があります。
長期不在を見落として請求を続けると、後日の返還リスクにつながります。
令和6年度報酬改定Q&Aにより、児童指導員等加配加算については、実務上の重要な考え方がかなり明確になりました。
特に押さえておきたいのは、次の点です。
児童指導員等加配加算は、単に人を配置すればよい加算ではなく、実際の勤務実態、兼務状況、経験年数の裏付け資料まで含めて適正に整理されていることが求められます。

あいまり行政書士法人では、障害児通所支援事業所を対象に、
など、実務に即したサポートを行っています。
「この兼務体制で加配加算は算定できるのか不安」
「経験年数の整理や証明資料の集め方で困っている」
「運営指導に備えて配置の考え方を見直したい」
そのようなお悩みがありましたら、あいまり行政書士法人までお気軽にご相談ください。

千葉 直子
あいまり行政書士法人 代表・行政書士。
障がい福祉分野に特化し、障害福祉事業所の開設支援、顧問対応、運営指導・監査対応、法改正対応などを中心にサポートしています。制度理解にとどまらず、現場実務と法令遵守を見据えた実装支援を強みとしています。
2021年8月 とおる行政書士オフィス設立
2023年3月 あいまり行政書士オフィスへ事務所名変更
2024年7月 あいまり行政書士法人として法人化

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障害福祉制度・運営実務セミナー
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