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【令和8年度特例要件】6月から何が変わる?処遇改善加算の「イ」と「ロ」の違いをわかりやすく解説

  • 投稿:2026年03月30日
  • 更新:2026年04月13日
【令和8年度特例要件】6月から何が変わる?処遇改善加算の「イ」と「ロ」の違いをわかりやすく解説

令和8年度の障害福祉サービスにおいて、処遇改善加算の大きな見直しが予定されています。すでに全体像をご存じの事業所様も多いかもしれませんが、実務担当者が特に注意すべきなのが令和8年6月から始まる「特例要件」です。

本記事では、現場で混乱しやすい「ⅠイとⅠロ、ⅡイとⅡロはどう違うのか?」「6月に向けて新しく何をすべきか?」という疑問を実務目線でわかりやすく整理しました。生産性向上(ICT導入)や月給改善など、事業所として今すぐ確認・判断すべき3つのポイントを解説します。6月以降の申請に迷わないためのガイドとしてご活用ください。

令和8年6月から処遇改善が変わる?!

令和8年度の障害福祉分野では、処遇改善加算について大きな見直しが予定されています。
すでに「処遇改善加算の全体像」はご存じの事業所様も多いと思いますが、今回、実務で特に気をつけたいのが令和8年6月から始まる“特例要件”です。

「今までの加算区分と何が違うの?」
「ⅠイとⅠロ、ⅡイとⅡロはどう違うの?」
「6月から新しく何をしないといけないの?」

このあたりが分かりづらく、現場ではかなり混乱しやすいところです。

そこで今回は、令和8年度特例要件に絞って、6月から何が変わるのか、そして、

ご質問の多い、

“イ”と“ロ”の違いは何か??  を実務目線でわかりやすく整理します。


令和8年度の見直しは、処遇改善加算の対象を福祉・介護職員から障害福祉従事者へ広げるとともに、生産性向上や協働化に取り組む事業者向けの上乗せ区分を設ける内容です。

施行時期は令和8年6月とされていますので、早速みていきましょう!

結論から。6月から「ロ」が新しく意識すべき区分になります

今回の見直しで大きいのは、加算区分の中に「Ⅰロ」「Ⅱロ」という考え方が入ってくることです。
イメージとしては、これまでの加算Ⅰ・Ⅱの枠組みに対して、

一定の追加条件を満たした事業所が“上乗せ”を受ける仕組みが入る、

という理解がわかりやすいです。

制度資料では、現行対象サービスについて、加算率の引上げに加え、生産性向上や協働化に取り組む事業者への上乗せ区分を設けると整理されています。

つまり、今後は単に「加算Ⅰを取っています」「加算Ⅱを取っています」だけではなく、
Ⅰイなのか?Ⅰロなのか
Ⅱイなのか?Ⅱロなのか?

を見ていく必要が出てきます。

「イ」と「ロ」の違いは何か?

実務上の理解としては、次のように押さえるとわかりやすいです。

Ⅰイ・Ⅱイ
→ 従来の加算Ⅰ・Ⅱの基本的な要件を満たした区分

Ⅰロ・Ⅱロ
→ それに加えて、令和8年度特例要件を満たした区分

つまり、“ロ”は特例要件クリア版です。
制度資料でも、令和8年度特例要件を満たすことで加算Ⅰロ・Ⅱロへ進む構造が示されています。

このため、6月からの実務では、
「今の加算区分をそのまま続ける」だけでは足りず、
特例要件まで満たして“ロ”を狙うのか、そこまでは対応せず“イ”でいくのか
を判断する必要があります。

令和8年度特例要件とは?

特例要件は、「ア・イのいずれか」かつ「ウ」です。

ア 生産性向上の取組を5つ以上

職場環境等要件のうち、生産性向上に関する取組を5つ以上行うことが求められています。
しかも、ただ5つ選べばよいのではなく、

⑱「現場の課題の見える化」㉑「業務支援ソフト・情報端末の導入」は必須です。


たとえば、業務時間調査をして課題を見える化し、記録ソフトやタブレットを導入し、そのうえで業務手順書の整備、ICT機器の活用、役割分担の見直しなどを進めるイメージです。

イ 社会福祉連携推進法人に所属していること

もう一つのルートが、社会福祉連携推進法人への所属です。
ただ、実務上はこちらに該当する事業所は限られるため、多くの事業所はアのルートで考えることになると思われます。

ウ 月給賃金への配分

そして見落としやすいのがこのウです。
加算Ⅱロ相当の加算額の2分の1以上を、月給(基本給または毎月決まって支払われる手当)の改善に充てることが必要です。
ここが非常に重要で、特例要件は「ICTを入れれば終わり」ではありません。
月給での改善まで求められるのがポイントです。

ですので、月給でどのような配分を設計していくのかがとても重要です。

何が一番変わるのか?

今回の改定で特に大きいのは、上位区分ほど月給配分の考え方が強く意識されるようになってきたことです。
背景として、国はベースアップによる継続的な賃上げを後押ししたい考えを示しており、令和8年度の見直しでも、月給への配分をより重視する方向が打ち出されています。資料でも、上位区分ほど加算額に占める月給配分割合が低くなりがちだったことを踏まえ、見直しの必要性が示されています。

つまり、6月以降は
「処遇改善加算を取っている」
だけではなく、
どう配分するのか
月給改善としてどう設計するのか

まで見られる流れがより強くなります。

誓約で進められるが、安心しすぎは禁物

令和8年度特例要件のうち、アとウについては、令和8年度中の対応を誓約する形でも進めることが可能とされています。
また、特例要件を満たす事業所は、加算Ⅰ~Ⅳで求められるキャリアパス要件や職場環境等要件についても、年度内対応の誓約で進められる整理がされています。

ただし、これは「あとでやればいい」という意味ではありません。
実績報告で確認され、未対応が判明すれば、加算額の一部または全部の返還につながる可能性があります。
特に、ICT導入を予定だけで終わらせてしまう、月給改善の設計が曖昧なまま申請する、といったケースは要注意です。

事業所様として今すぐ確認したいこと

6月からの対応でまず確認したいのは、次の3点です。

1つ目は、自事業所が“ロ”を狙うかどうかです。
2つ目は、生産性向上の取組を5つ整理できるかです。
3つ目は、加算Ⅱロ相当額の2分の1以上を月給賃金へどう配分するかです。

この3つが整理できていないと、6月以降の申請で迷いやすくなります。

まとめ

令和8年度特例要件で6月から変わるポイントは、単なる加算率の変更ではありません。
本質は、処遇改善をより実効性のあるものにしながら、同時に生産性向上やICT活用も進めるという方向に制度が動いていることです。

そして、その象徴が「イ」と「ロ」の違いです。
“イ”は基本要件で進む区分、
“ロ”は特例要件まで満たして上乗せを狙う区分。

この違いを理解しておかないと、
「うちはどの区分で申請すべきか」
「月給改善はどこまで必要か」
「ICT導入は何を入れればいいのか」
が曖昧になってしまいます。

令和8年度の処遇改善加算は、6月からが本番です。
制度を正しく理解し、自事業所に合った区分選択と配分設計をしていくことが大切です。

また、届出が必要ですので行政HPで確認しましょう。

あいまり行政書士法人では、障害福祉に特化した実務目線で、処遇改善加算のご相談や届出サポートを行っています。
「うちの場合はどう考えればいい?」と迷ったときは、どうぞお気軽にご相談ください。

この記事の監修者について

 千葉 直子
 あいまり行政書士法人 代表・行政書士。
障がい福祉分野に特化し、障害福祉事業所の開設支援、顧問対応、運営指導・監査対応、法改正対応などを中心にサポートしています。制度理解にとどまらず、現場実務と法令遵守を見据えた実装支援を強みとしています。

経歴

2021年8月 とおる行政書士オフィス設立
2023年3月 あいまり行政書士オフィスへ事務所名変更
2024年7月 あいまり行政書士法人として法人化

情報発信

SNS・YouTube等の発信一覧はこちら

その他、セミナー・執筆活動を行っています。

「法令と実務事例解説セミナー」

 障害福祉制度・運営実務セミナー

「就労継続支援B型開業実践講座」・「児発・放デイ開業実践講座」

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