代表・行政書士
千葉直子
障害福祉専門 あいまり行政書士法人 代表行政書士 千葉直子
放課後等デイサービス・児童発達支援、就労系を中心に、障害福祉事業の開設支援から運営支援、法改正対応、運営指導対策まで一貫してサポートしています。制度の条文解釈だけでなく、現場実務や事業継続を見据えた「実装できる制度対応」を重視し、事業者が安心して支援に専念できる体制づくりを支援しています。福祉系大学卒業
Contents
令和8年度(2026年)の障害福祉サービス報酬改定(期中改定)のポイントをわかりやすく解説。処遇改善加算の拡充、就労継続支援B型の見直し、新規開設への基本報酬調整など、事業所運営や開設に与える影響と対策を整理しました。
目次
令和8年(2026年)2月18日に行われた「第53回 障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」にて、今後の障害福祉サービスの報酬に関する重要な具体案が発表されました。
本来、障害福祉の報酬改定は3年に1度のペースで行われます。しかし今回は、国の「総合経済対策」等の方針を受け、次回の令和9年度改定を待つことなく、前倒しで「期中改定」という形で臨時的な見直しが実施されることになりました。
この記事では、今後の事業所運営に大きな影響を与える以下の重要トピックに絞って、わかりやすく解説します。
・スタッフの賃上げを後押しする「処遇改善加算の拡充」
・「就労継続支援B型の基本報酬区分の見直し」
・これからオープンする「新規事業所に対する応急的な特例(基本報酬の引き下げ)」

障害福祉業界の深刻な人材不足を解消するため、現場で働くスタッフの給与(処遇)をさらに引き上げるための、嬉しい見直しが行われます。
・対象者が「障害福祉従事者」に拡大! これまで主に「福祉・介護職員」に限定されていた加算の対象が、今回から「障害福祉従事者」全体に広がります。これにより、幅広い職種で月額1.0万円(3.3%相当)のベースアップが実現する仕組みです。
・生産性向上への取り組みでさらに上乗せ! ICTツールの導入など「生産性向上」や「協働化」に取り組む事業所の福祉・介護職員に対しては、さらに月額0.3万円(1.0%相当)が上乗せされます。通常の定期昇給分(0.6万円)を含めると、合計で最大月額1.9万円(6.3%)もの賃上げになる大きな見直しです。
【注目】これまで対象外だった「相談系サービス」にも新設! さらに、これまで処遇改善加算が使えなかった相談系のサービスについても、今回から新たに加算が設けられます。
・新設される加算率:いずれも一律「5.1%」となります。
・算定するための特例ルール:本来、算定には「キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱ」と「職場環境等要件」を満たす必要があります。しかし、準備に時間がかかることを考慮し、「令和8年度中に要件を整えます」と誓約すれば、特例として要件整備前でも算定をスタートできる配慮措置が取られています(※後日、実績報告書での確認が必要です)。
※これらの処遇改善加算の拡充は、令和8年(2026年)6月からの施行となります。また、これに連動して、訪問系サービス(居宅介護、重度訪問介護など)における市町村向けの国庫負担基準(上限単位数)も合わせて引き上げられます。

今回の改定で、これから新規参入や店舗展開を目指す事業者様にとって最も影響が大きいのが、この「応急的な基本報酬の引き下げ」です。 近年、障害福祉サービスの総費用が急増していることや、営利法人を中心とした新規参入が激増している背景を受け、制度を持続させるための「緊急ブレーキ」として導入されることになりました。
・就労継続支援B型:所定単位数の 984/1000 (約1.6%の減額)
・共同生活援助(GH※包括型・日中支援型):所定単位数の 972/1000 (約2.8%の減額)
・児童発達支援:所定単位数の 988/1000 (約1.2%の減額)
・放課後等デイサービス:所定単位数の 982/1000 (約1.8%の減額)
【重要】引き下げを回避できる「配慮措置(例外ルール)」 新規事業所であっても、「重度障害のある方を受け入れる場合」や「サービスが足りていない地域に開設する場合」は、特例として引き下げの対象外(今まで通りの報酬)となります。
【備考】※ 合併・分割・事業譲渡に伴う指定の場合、その前後で事業所が実質的に継続して運営されると認める場合は、既存事業所と同様の扱い←ここ重要です。

・基準額を一律「3,000円」引き上げ 基本報酬の各区分の基準となる平均工賃月額が、それぞれ一律で3,000円引き上げられます。(※実際には約6,000円上昇していますが、事業所への影響を考慮し、引き上げ幅はその半分の3,000円に留められています)。
【安心の激変緩和措置(事業所への配慮ルール)】
今回の引き上げによって事業所の経営が急激に圧迫されないよう、以下の3つの配慮措置が用意されています。
・上がっていないなら「適用外」:令和6年度の改定前後で、報酬区分が「上がっていない」事業所については、今回の見直しの適用対象外(今まで通りの区分)となります。
・下がっても「減少は最小限に」:今回の基準引き上げによって、どうしても区分が「下がってしまう」事業所については、基本報酬の減少額が3%程度に収まるように「中間的な新しい区分」が特別に新設されます。
・すでに下がったところは「据え置き」:令和6年度の改定ですでに単価が引き下げられた「区分七」と「区分八」の間の基準については、これ以上厳しくならないよう、引き上げずに据え置きとなります。

就労継続支援A型やB型などで、利用者の一般企業への就職(と定着)をサポートした際に算定できる「就労移行支援体制加算」について、ルールの厳格化(適正化)が行われます。
この見直しの背景には、本来の「長く働き続けるための支援を評価する」という目的から外れ、同じ利用者がA型事業所と一般企業の間で短期間の退職・再就職を繰り返し、その度に事業所が加算を取得する(いわゆる「回転ドア」のような)不適切なケースが問題視されたことがあります。
真摯に就労支援に取り組む事業所が正しく評価されるよう、以下の見直しが行われます。
・算定できる人数に「上限」を設定 1つの事業所で、1年間に加算の算定対象とできる就職者の数に上限が設けられます。原則として、その事業所の「定員数」までが上限となります。
・過去に算定した人は原則NG(3年ルールの明確化) 同じ事業所内での重複だけでなく、「他の事業所」も含めて過去3年間にこの加算の算定実績がある利用者については、原則として算定できないことが明確にされました。(※ハラスメントなど、やむを得ない事情で退職したと市町村長が認めた場合は、例外として算定可能です)。
【要注意!】スタート時期が早いです 今回の期中改定は「6月施行」のものが多いですが、この就労移行支援体制加算の適正化については、少し早い令和8年(2026年)4月1日からスタートしますのでご注意ください。

今回の令和8年度「期中改定」は、事業所にとってプラス面とマイナス面がはっきりと分かれる、非常にメリハリの効いた内容となっています。
【プラスの面】 処遇改善の拡大により、現場を支える幅広いスタッフの賃上げ(ベースアップ)が大きく前進します。
【マイナスの面】 就労継続支援B型、グループホーム、障害児通所支援(児発・放デイ)の「新規開設」に対しては、一時的に厳しい基本報酬(単価ダウン)が設定されます。
とくに、令和8年(2026年)6月以降に新しい事業所のオープンや、多店舗展開を検討されている法人様にとっては、当初の事業計画や収支シミュレーションの練り直しが必要となります。
あいまり行政書士法人では、こうした最新の法改正や報酬改定の動向をいち早くキャッチアップし、障害福祉サービス事業所の皆様が安定して事業を継続できるよう、確実な指定申請と運営サポートを行っております。
「うちの事業所は新しい加算の要件をクリアできる?」「新規開設のスケジュールはどう戦略を立てればいい?」など、少しでもご不安な点がございましたら、ぜひお気軽にあいまり行政書士法人までご相談ください。
【ご相談は問い合わせフォームから】
対応エリア: 千葉県全域・近隣エリア(オンライン相談も全国対応中)
参考:「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(第53回)」の資料より

千葉 直子
あいまり行政書士法人 代表・行政書士
障がい福祉分野に特化し、障害福祉事業所の開設・運営・行政対応を専門にサポートする行政書士。制度理解にとどまらず、現場実務・運営指導・法令遵守を見据えた実装支援を強みとする。
障害福祉サービス全般
(児童発達支援/放課後等デイサービス/就労系サービス ほか)
障害福祉事業の開設支援・顧問対応
運営指導・監査対応
法改正・制度対応(日本版DBS 含む)
高校・大学時代にボランティア部に所属し、福祉分野での活動を経験。
福祉系大学卒業後、子育て中に「制度と現場の間に生じるズレ」を埋める支援を志し、行政書士として開業。現在は、事業者が安心して支援に専念できる体制づくりを重視した実務支援を行っている。
障害福祉行政書士向け 「法令と実務事例解説セミナー」
行政書士向けコミュニティでの 障害福祉制度・運営実務セミナー
事業所向け「就労継続支援B型開業実践講座」
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