代表・行政書士
千葉直子
障害福祉専門 あいまり行政書士法人 代表行政書士 千葉直子
放課後等デイサービス・児童発達支援、就労系を中心に、障害福祉事業の開設支援から運営支援、法改正対応、運営指導対策まで一貫してサポートしています。制度の条文解釈だけでなく、現場実務や事業継続を見据えた「実装できる制度対応」を重視し、事業者が安心して支援に専念できる体制づくりを支援しています。福祉系大学卒業
Contents
令和6年度の報酬改定でルールが細分化された「個別サポート加算」。Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの違いや、「不登校ならすぐにⅢを算定できる?」「受給者証に記載があればOK?」など、放課後等デイサービスの現場からよくいただく疑問を専門家がわかりやすく解説。正しい算定要件と記録のポイントをチェックしましょう!
放課後等デイサービスを運営する事業所様から、
特によくご相談をお受けするのが「個別サポート加算」についてです。
令和6年度の報酬改定で、個別サポート加算(Ⅰ)のルールが細かく分かれました。さらに、不登校のお子さんへの支援を評価する「個別サポート加算(Ⅲ)」も新しくできたため、現場からは次のようなお悩みの声をよくいただきます。
この記事では、放課後等デイサービスにおける「個別サポート加算」の基本ルールから、令和6年度改定のポイント、そして現場でうっかり間違えやすい注意点まで、あいまり行政書士法人がわかりやすく解説します。

個別サポート加算を一言でいうと、「普段の支援にくわえて、より手厚いサポートや、関係機関との密な連携が必要なお子さんへの支援」を評価してくれる加算です。
放課後等デイサービスでは、主に次のようなお子さんが対象になります。
ここで絶対に知っておきたいポイントがあります。それは、「手がかかる大変なお子さんだから算定できる」という単純なものではないということです。
お子さんの状態を点数化したスコア、受給者証の記載、個別支援計画への盛り込み、そして何より「毎日の支援記録」がすべて揃って、初めて正しい算定として認められます。

令和6年度の報酬改定で、これまでよりも支援の重さや内容に合わせて、加算のルールが細かく分かれました。現在の区分は以下の通りです。
| 種類 | 単位数(1日) | どんなお子さんが対象? |
| 個別サポート加算(Ⅰ)(1) | 90単位 | 行動面に課題があるお子さん(ケアニーズが高い) |
| 個別サポート加算(Ⅰ)(2) | 120単位 | 著しく重度の障害があるお子さん(全介助が必要) |
| 個別サポート加算(Ⅱ) | 150単位 | 緊急で一時的な支援が必要なお子さん |
| 個別サポート加算(Ⅲ) | 70単位 | 不登校の状態にあるお子さん |
以前は同じ単位数で一律に評価されていましたが、現在はお子さんの状態に合わせて細分化されているのが大きな特徴です。
個別サポート加算(Ⅰ)は、お子さんの心身の状態を評価するものです。(1)と(2)の使い分けが重要になります。
「行動面でサポートが必要なお子さん」が対象です。具体的には、市町村が行う「就学児サポート調査」で、合計点数が13点以上になるお子さんが当てはまります。
調査される項目は、コミュニケーションの取りづらさ、大声・奇声、多動、自傷・他害、てんかん、読み書きの難しさなどです。
【ポイント】強度行動障害の研修を修了したスタッフがいる場合(+30単位)
この(1)を算定しているお子さんに対して、「強度行動障害支援者養成研修(基礎研修以上)」を修了したスタッフを配置し、自治体へきちんと届出をしている場合は、さらに30単位をプラス(合計120単位)することができます。
ただし、研修を修了したスタッフが「ただ事業所にいるだけ」ではNGです。事前に自治体へ体制の届出を行い、実際にその体制で支援していることが条件になります。
「著しく重度の障害があるお子さん」が対象です。
食事、排せつ、入浴、移動の4つのうち、3つ以上で「全介助」が必要な状態であることが基本ルールになります。
受給者証には「個別サポート加算(Ⅰ)(重度)」と書かれることが多いです。もし対象になりそうなお子さんの受給者証に記載がない場合は、保護者様から市町村へ相談や変更の申請をお願いする必要があります。
個別サポート加算(Ⅱ)は、お子さんの普段の状態ではなく、「支援の緊急性や特別な事情」を評価するものです。
虐待の疑いや家庭環境の急な悪化、自傷他害がひどくなった時など、緊急かつ一時的に施設で守る必要があるお子さんが対象です。
この加算は「毎日ずっと算定し続ける」というよりは、ピンチの状況で関係機関と協力して動く特別な期間を評価するものです。なお、同じ日に(Ⅰ)と(Ⅱ)を両方算定する(ダブルカウント)ことはできません。
令和6年度改定で一番の話題になったのが、この「不登校のお子さんへの支援」に対する加算です。学校に行けないお子さんにとって、放課後等デイサービスが「学校と家庭をつなぐ架け橋」になることが期待されています。
算定のための「高いハードル」
「不登校のお子さんが通ってきたら70単位プラス!」という簡単な話ではありません。実務としては、毎月必ず次の「5つのプロセス」をこなす必要があります。
学校の先生が忙しくてなかなか連携の時間が取れないケースや、保護者様が学校との連絡を嫌がるケースなどでは、要件を満たせず算定できないこともあるため注意が必要です。

運営指導(実地指導)で「お金を返してください(返還)」と言われやすいポイントをQ&A形式でまとめました。
勘違い1:受給者証に書いてあれば、記録はカンタンでOK?
答え:NGです。
受給者証に「個別サポート加算対象」と印字されていても、日々の記録に「今日はどんな配慮をしたか」「行動にどんな課題があったか」が書かれていなければ、算定の根拠がないと判断され、返還を求められるリスクがあります。
勘違い2:不登校のお子さんなら、誰でも(Ⅲ)を算定できる?
答え:NGです。
先ほどお伝えした通り、学校やご家庭との「月1回以上の具体的な連携と記録」が絶対条件です。ただ通ってきているだけでは算定できません。また、関係機関連携加算や家族支援加算などとは一緒に算定できないルールがあるため、請求時のチェックが欠かせません。
勘違い3:研修を修了したスタッフがいれば、事業所の全員の単位が上がる?
答え:NGです。
強度行動障害の研修修了による「プラス30単位」は、あくまで「個別サポート加算(Ⅰ)(1)の対象になっているお子さん」の対応をした時だけ上乗せされます。他の一般のお子さん全員の単位が上がるわけではありません。

個別サポート加算は、現場のスタッフ様の大変さや頑張りを評価してくれる、とてもありがたい加算です。しかしその分、ルールの確認や日々の記録には細心の注意を払う必要があります。
とくに令和6年度以降は、「うちの子はⅠ・Ⅱ・Ⅲのどれに当てはまる?」「自治体のローカルルールに合っている?」という点を、あらためて見直すことが大切です。
算定の漏れは事業所の大きな「損」になりますが、間違った算定は後から返還や改善指導につながる可能性やリスクを持っています。
「この子は個別サポート加算(Ⅲ)の対象になるのかな?」
「今の記録の書き方で、運営指導(実地指導)が来ても大丈夫かな……」
そんなお悩みはありませんか?
あいまり行政書士法人では、放課後等デイサービスなどの障害福祉サービス事業所様に向けて、加算の体制届出、運営指導の対策、個別支援計画のチェックなどをトータルでサポートしています。
加算の算定で迷った時や、実務に不安がある時は、ぜひお気軽にご相談ください。障害福祉に特化した行政書士が、皆様の安心できる施設運営を全力でバックアップいたします!

千葉 直子
あいまり行政書士法人 代表・行政書士。
障がい福祉分野に特化し、障害福祉事業所の開設支援、顧問対応、運営指導・監査対応、法改正対応などを中心にサポートしています。制度理解にとどまらず、現場実務と法令遵守を見据えた実装支援を強みとしています。
2021年8月 とおる行政書士オフィス設立
2023年3月 あいまり行政書士オフィスへ事務所名変更
2024年7月 あいまり行政書士法人として法人化

「法令と実務事例解説セミナー」
障害福祉制度・運営実務セミナー
「就労継続支援B型開業実践講座」・「児発・放デイ開業実践講座」
Contact
ご質問やご相談がございましたら、お気軽にお問合せください。
当事務所の専門スタッフが丁寧に対応いたします。
24時間365日受付
コンタクト追加後お問合せください
対応地域
千葉県を中心とした全国対応(オンライン対応可)